閑話休題 | 月下の調べ♪のステージ

閑話休題

将棋パイナップルのリレーエッセーについては、をいらが所属する将棋サークル「友遊クラブ」の掲示板で既に最近紹介済であった。「全国各地に埋もれた多士済々が、ここぞとばかりに光り輝く」場であると。

 

この度発表されたNo.134勝ちたいと思うことの意味は衝撃だった。待ち焦がれた、久々のアツい文章から受けた新鮮さと感動だけではない。限られた時期の成果が試される団体戦や、執念の全てを注ぎ込める程の質量を持った勝負の経験がないをいらにとって、まさか共感が及ぶ領域であるはずもない。

 

すばらしいと感じたのは、筆者勢田氏が学生将棋に打ち込んだ数年間の経験で、その経験ナシではけして獲得し得ない、自分の手で勝ち取った貴重なモノが見事に表現されていたこと。そして、そのリアリティーからくる説得力である。

 

何かに打ち込んで過ごした日々を持つ人は、当初からすればあまり意図しない副産物、しかしその経験でしか得られない何かしらかけがえのないモノを獲得しているものだ。教訓だとか、経験則だとか、生きがいだとか、人間関係だとか。とてもありきたりの言葉では表せない場合もあるかもしれない。

 

精一杯過ごして得たモノほどそれは強固だ。明確な、高度なモノを獲得するまで打ち込めた人は幸せだ。そして得たモノを他人にも伝えていける人は、その価値を実感するに違いない。 

 

そして、実は貴重なモノは誰にでもあって、しかもそのほとんどは埋もれてしまっている。 

 

自分で幸せになるだけなら、他人に対しての説得力は必要が無い。しかしたとえ胸をはって披露できるリアリティーがなくとも、得たモノを伝えていく手段はあるはずだ。をいらは、できるだけ多くの人の幸せの根源を知りたいし、報せていきたいとも思う。

 

 

 なーんて、「閑話休題」のタイトルにしては、重い内容ですみません。。。