「社団戦レポート」(3) | 月下の調べ♪のステージ

「社団戦レポート」(3)

東京アマチュア将棋連盟のHP の冒頭写真をご覧になると判るが、我々も含め各チームはそれぞれオリジナルのピブス、というユニフォームとゼッケンの合いの子のようなものを着て対局する。友遊クラブのピブスはライトブルーがベースで、濃紺文字でチーム名が、黄緑色で1~7番までの番号がプリントしてある。インターネット将棋道場「将棋倶楽部24」 のロゴを、本部の了解を得て、入れさせてもらった。将棋倶楽部24はインターネット将棋道場の最大手で、日頃対局している人は多く、このロゴにはっとする人もいたりする。友遊クラブの名前を知っていたり、将棋仲間に会員がいたりしてその話題になることもある。サークルの宣伝のいい機会になっているようだし、初対面の人と話せるきっかけになるところも良い。


2回戦がはじまった。相手は「学習院大学櫻将会」。どうもこちらも学生将棋部のOBチームらしく、比較的若い社会人メンバーで構成されている。ふちゅうさんの戦略で少しオーダーを変えて臨むことにした。


をいらの相手は、こちらの四間飛車に玉頭位取りで対抗してきた。中央のごちゃごちゃした闘いを仕掛け相手陣が整わないうちに攻めあいに持ち込む算段だったのだが、なかなか捌ける形にさせてもらえない。これは相手、相当強いなと思わされたとき、をいらにミスがでて、それからは一方的に悪くなってしまった。完敗。


感想戦はそこそこにして、他のメンバーの状況をうかがうと、やはりというか、また誰も勝っていないとのこと。3部ってこんなにレベル高いの?と思わされるが、実力差は現実のものだ。残り対局がわずかになって、粘っていたはぶはぶさんの対局も最終盤を迎える。相手の指しまわしが見事で、狙っていた詰み筋をきれいに交わされて必敗形だ。2戦連続で全敗?悪い意味であり得ない話が現実になろうというとき、奇跡が起きた。両チームのメンバーの注目を感じたのか、相手が寄せ手の大事なところで、角をただ捨てのところに打ってしまうという大ポカをやってしまった。大逆転だ。対局成績は結局1勝6敗。


たまさん一家の三人がお出かけから戻ってきていた。たかしげクンの弟のピロくんの要望でお台場に行ったり、同じビルのバザーに行っていたらしい。とても仲の良い一家で、この三人も将棋をそこそここなすのだが、たかしげクンの棋力が際立っているせいか、今日のところは四人で同じ将棋を楽しもうという雰囲気ではない。たまさんのダンナさんが、携帯のゲーム機で遊ぶピロくんとじゃれ付いている。それを横目に、競馬の話題になったパブルさんとたまさん、をいらの三人が競馬新聞を中心に本日の予想披露。たかしげクンがそれに混じってきて「穴馬ってなあに」と聞いてくるので、人気薄の馬のことだと教える。競馬のことは、パパから教えてもらったのだろう。いつか一緒に競馬場に行こうな。


ところで実は、たまさんのダンナさんとはお話をしてみたかったのだ。をいらの今日の目標だった。打ち解けにくいらしい、という情報を入手していたのだが、うまく切り出すきっかけが結局つかめなかった。とても仲の良い一家の中心になっている、しかしあまり交流を望まないダンナさん。彼の気持ちを想うと、たかしげクンやたまさんと楽しげに話すばかりではいけなかったと後悔している。こちらから話しかけて、少なくとも安心させてあげなければいけないというのに。


 将棋も、交流のほうも、結果を出せないまま3回戦がはじまろうとしていた。