幸せに生き、幸せに死ぬ、永遠の智慧
現代日本に、科学の知識を持って日々を過ごす方々に謹んで申し上げます。
本来、気鋭の生命科学研究者であった著者の柳澤桂子さんは、長年の闘病生活の苦しみを経て、遥か釈迦の古代における説法、この般若心経に書かれていることは、現代においても真実であり続けることに気づきました。
般若心経、それは釈迦が長老シャーリプトラへ説いたとされる、偉大なる智慧の完成へ至る道。
お聞きなさい。広大なる宇宙の解明が進み、微小なる原子の解明が進んだ科学と照らし合わせても、般若心経に語られている偉大なる釈迦の言葉は真実足りえるのです。
そして、そこに語られている「空(くう)」という概念こそが、我々現代日本人が求めてやまない、心安らかに居られる智慧だったのです。それは生けるときも、死ぬときもそうなのです。柳澤桂子さんは、行間の解釈を加えながら、「空」なる智慧を身につけることによって幸せになるのだと言っているのです。
その真実の言葉は、生きて死ぬ智慧として、我々にわかりやすい現代日本語にまとめられました。巻末についている直訳や、あとがきと照らし合わせると、その理解は一層深いものとなるでしょう。
それは我々が今まで目にしてきた般若心経は、死に行くものへのメッセージとしても確かに成立しているものなのだとも、説かれているように思えます。実にしっくりくる解釈ではありませんか。
ぎゃてい ぎゃてい ぱらぎゃてい
お聞きなさい。この本は、現代日本のあなたたちのためにあるものなのです。